クリエイティブの質
May.08 2015
Fri May 08 2015 18:59:40
May.08  2015  

クリエイティブの質


■質の高いクリエイティブは求められているのか

———今、ニコニコ動画の文化などに象徴されるように、作り手と受け手の間の敷居がどんどん下がっていって、同じ高さの目線で批評し合う、という流れがあるのかなと思います。ただ、個人的には「そこまで敷居が下がってしまうと、もう突出したクリエイターは育たないんじゃないか」と思って危惧しているところもあります。紀里谷さんは、そのあたりのことをどう考えているんですか。

超会議に出席していた人たちもそうですけど、多くは別に突出した何かをやっている人たちでもないわけですよね。そういう普通の人たちにスポットライトが当たるようになっていた。

敷居が低くなることによって、レベルが低くなるというのは、もうしょうがないでしょう。すでに音楽や芝居でもそうですし。これはいつも言っているんですけど、そこで質の高いクリエイティブやエンタメが、本当に必要とされているのか、ということを考えないといけないと思うんですよ。

つまり、今、本当に質の高いクリエイターが出てきたところで「それがどうしたの」と言われる可能性がある。日本では、今、秀でたものが必要とされていないんじゃないか。ものすごくうまい歌手、ものすごくうまい俳優、そういうものは求められていないんじゃないのか? って。

日本には「芸者遊び」というものがあるけど、踊りとかをお座敷とかで観てても、実際はうまくなかったりもするわけですよ。でも、観ている人も別に求めてないし、そもそもどういうものがうまいのか、ということも理解していなかったりする。でも、それを観ることに何十万も払えるわけじゃないですか。そのとき、自分がそれに対価を払う、という行為に価値を見いだしているってことなんじゃないかな、と。